『モネのキッチン』4話

『モネのキッチン』4話

ブログ更新がすっかり遅くなってしまいましたが、秋田書店より発売中のミステリーボニータ2月号に『モネのキッチン-印象派のレシピ-』4話掲載されています。

今回はモネ一家がメインのエピソード。
若き画家クロード・モネが最近頭を悩ませている原因、それは息子のジャン。なぜか絵のモデルになることを拒否して逃げ回っているのだが、はたしてその原因は…?と言う感じの話です。夫婦や親子のほのぼの話大好きなので、描いててとても楽しい回でした…!


ちらっとモネとカミーユの若い頃の話もあったり


描くの楽しかったコマ(の一部)
前作からスカート穿いてる少年ばかり描いてる気がする…
(19世紀フランスでは少年も普通にスカート履いてました)

ボニータ2月号、2/5頃までなら書店でも購入できると思いますので、気になる方はよければ読んでみてください。2/6以降でも電子書籍版で購入可能ですよ。よければアンケートなどでご感想いただけると、とても励みになります…!

続きは今回作中に出した絵画の紹介や、作品読んだ人向けのよた話等です。

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4話の作中に登場したモネの作品の画像を載せておきますね。よければ雑誌片手に見てみて下さい。
(美術館の公式ページでより解像度の高い画像が見れます)

ゆりかごの中のジャン・モネ
(Jean Monet dans son berceau/1867)
ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵

Claude Monet (French, 1840 – 1926), The Cradle – Camille with the Artist’s Son Jean, 1867, oil on canvas, Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon 1983.1.25

1867年、モネが26歳の時の作品です。この夏に生まれた息子のジャンと女性を描いた作品。
ワシントン・ナショナル・ギャラリーのページではタイトルが《カミーユと画家の息子のジャン》となっていますが、この絵に描かれている女性が誰かは特定されていないため、作中では白いボンネットと簡素な服装からカミーユではなく乳母の姿としています。

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木馬に乗るジャン・モネ
(Jean Monet (1867–1913) on His Hobby Horse/1872)
メトロポリタン美術館所蔵

Claude Monet (French, 1840 – 1926), Jean Monet on His Hobby Horse, 1872, oil on canvas

1872年、モネが31歳の時の作品です。自宅の庭で木馬に乗って遊ぶジャンを描いた作品。
※2作とも所蔵美術館よりオープンアクセスで提供されている画像を使用させて頂きました。

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ちなみにこの回のネーム出した時、編集さんに「モネって…結構クズですね…」って言われて、フォローしようと思ったんですが、3話でちらっと書いた通り、あちこちから金借りといて10年以上返さなかったり、その割に食やワインに金かけて浪費したり、都合悪くなったら旅に出たり、もう少し節約しろって友人のバジールに注意されたら逆ギレするなんて話が残りまくっているので「そうですね…結構クズです…」としか返せませんでした。そんな主人公ですが、今後もよろしくお願いします。

『モネのキッチン』は人物の設定、大きな出来事は史実をベースにしつつも、作中の人物像、各話のメインストーリーはほぼフィクションです。が、史実のエピソードを活かしつつ、良い所も悪い所も含めて人間臭くて、魅力的な人物に描けたらいいなあと思っています。モネはもちろん、他の人物たちも。

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【今回の参考文献】
『モネ(岩波 世界の美術)』カーラ・ラックマン(2003)高階絵里加訳, 岩波書店.
『モネ』クリストフ・ハインリッヒ(2000)タッシェン・ジャパン.
『モネ:印象派の誕生』シルヴィ・パタン(1997)
川本茂雄監修, 渡辺隆司・村上伸子訳, 創元社.
『キッチンの歴史: 料理道具が変えた人類の食文化』ビー・ウィルソン(2014)
真田由美子訳, 河出書房新社.
『Monet’s Table: The Cooking Journals of Claude Monet』Claire Joyes(1990)Simon & Schuster.

【図録】
『大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産』読売新聞東京本社 国立新美術館 2007年
『マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展』東京都美術館・他 編 2015年

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